会議中でもトイレのことが頭から離れず、いざ行ってみると数滴しか出ないうえに、最後にピリッとしみる日があります。一、二日で治るだろうと我慢したり、家に残っていた薬をまず探したりすることもあるでしょう。この記事では、膀胱炎の症状の見分け方、受診の役に立つメモの内容、待たずに受診すべきタイミングを順に見ていきます。

膀胱炎ではどんな症状が出ますか?
最も多いのは、排尿時にしみる・焼けるような感じと、いつもより頻繁に尿意を感じることです。 細菌が膀胱に入って炎症が起こると膀胱が敏感になり、尿が少したまっただけでも出したくなります。
- 排尿痛: 尿が出るときや終わりごろにしみる、焼けるような感じ
- 頻尿: トイレに行く間隔が目に見えて短くなる、夜中に起きてトイレに行く回数が増える
- 尿意切迫感: 急に我慢しにくいほど強い尿意が起こる
- 残尿感: 出したばかりなのに、まだ残っているような感じ
- 尿の変化: 白く濁る、ピンク色や赤みが混じる
- 下腹部の不快感: 恥骨のすぐ上が重い、または押されるように痛む
女性は尿道が短く、腟や肛門に近いため、細菌が膀胱まで上がりやすい構造です。性交の後、長く尿を我慢した日や水を少ししか飲まなかった日、妊娠中や閉経後に起こりやすくなることがあります。一方で、尿の色が濃い、においがするというだけでは膀胱炎とは言いにくいです。水をあまり飲んでいないときにも起こりうるためです。
受診の前に何をメモしておくとよいですか?
いつ始まったか、ほかにどんな不快感があるか、最近変わったことはあるかを短くメモしてくれば十分です。 同じしみる痛みでも、一緒にある症状によって確認する検査が変わるためです。
| メモしておく内容 | 例 |
|---|---|
| 始まった時期 | 昨日の夕方から、性交の翌日から、旅行中に水を少ししか飲まなかった後から |
| しみる場所とタイミング | 尿が触れる外側がヒリヒリする、終わりごろに内側がピリッとする |
| 回数の変化 | いつもよりずっと頻繁にトイレに行く、夜中に二、三回起きる |
| 一緒にある症状 | 発熱・悪寒、腰の脇の痛み、尿に血が混じる、いつもと違うおりもの、かゆみ |
| 薬とこれまでの経験 | すでに飲んだ薬の名前と時期、以前に膀胱炎になったことがあるか |
| 妊娠の可能性 | 妊娠中か、妊娠している可能性があるか、授乳中か |
すでに薬を飲んだ場合は、必ず伝えてください。どの薬をいつ飲んだかによって、検査や処方の決め方が変わることがあります。
膀胱炎でなくても、似たような痛みが出ることはありますか?
はい、排尿時のしみる痛みは膀胱以外の原因でも起こります。 特におりものやかゆみが一緒にある場合は、まず腟や外陰部を確認する必要があります。
- 腟炎: カンジダなどの真菌や細菌による腟炎があると、炎症のある外陰部に尿が触れてしみることがあります。いつもと違うおりもの、におい、かゆみが手がかりになります。
- 性感染症: クラミジア・淋病などの感染や性器ヘルペスも、排尿時の痛みの原因になることがあります。クラミジアのようにほとんど症状がないまま経過する場合もあるため、新しいパートナーとの性交があった場合はお知らせください。
- 腟の乾燥・萎縮: 閉経後や授乳中のようにエストロゲンが減ると、腟や尿道の周りの組織が薄くなり、しみる痛みや頻繁な尿意が起こることがあります。
- 刺激: 香りのある洗浄剤、入浴剤、ローションなど、外陰部に触れる製品が皮膚を敏感にすることもあります。
- 細菌感染のない膀胱の炎症: 尿検査で菌が見つからないのに、膀胱の痛みや頻尿が続く場合もあり、そのときは別の評価が必要です。
膀胱炎と腟炎が同時に起きていることもあります。症状が似ていても原因によって治療が変わるため、腟炎が疑われる症状も一緒にある場合は、腟炎の診療のご案内も参考にしてください。
受診する前に、家でできることはありますか?
基本は、水を十分に飲み、尿を我慢しないことです。 ただし、これは不快感をやわらげて様子を見るための方法であり、すでに起きている感染を確実に治す方法ではありません。
- 尿が薄い色でこまめに出るくらいに水を飲みます。トイレが近くなるからといって水を極端に減らすと、かえって不利になることがあります。心臓や腎臓の病気などで水分制限の指示を受けている場合は、その指示に従ってください。
- 尿意があるときは我慢せず、排尿のときは急がずにしっかり出し切ります。
- コーヒー、お酒、フルーツジュースなど、膀胱を刺激しうる飲み物はしばらく控えます。
- トイレでは前から後ろへ拭き、香りのある洗浄剤や腟の中を洗い流す洗浄は避けます。
クランベリー製品は再発を減らすのに役立つかもしれないという程度の話はありますが、すでに始まった膀胱炎の症状を治すという根拠はありません。二日ほどセルフケアをしても良くならない、またはだんだん悪化する場合は、家で我慢する段階は過ぎたと考えて受診してください。
家に残っている抗生物質を先に飲んでもよいですか?
おすすめしません。 前回と症状が似ていても今回の原因が同じとは限らず、残っている薬は種類や量が今の状態に合わないことがあります。
- 腟炎や性感染症など別の原因であれば、膀胱炎の薬では解決せず、診断が遅れるだけになりかねません。
- 必要のない抗生物質を使うと、本当に必要なときに薬が効きにくくなる耐性の問題が起こることがあります。
- 家族や知人が処方された薬を分けて飲まないでください。抗生物質は自分に処方されたものだけを飲みます。
- 処方された抗生物質は、症状が良くなっても指示された期間と方法どおりに最後まで飲みます。吐き気や下痢が出たら処方した医師に伝え、全身に発疹が広がったり、唇や顔が腫れて息苦しくなったりした場合は、すぐに救急の診療を受けてください。
妊娠中や授乳中は使える薬が変わるため、処方の前に必ず伝えてください。
どんな症状があれば、すぐに受診すべきですか?
熱がある、脇腹が痛むといった場合は、感染が腎臓の方へ広がった可能性を確認する必要があります。 次の症状があれば、様子を見ずに早めに受診してください。
診察ではどんな尿検査をしますか?
症状をうかがい、必要に応じて中間尿をとって、炎症や細菌の痕跡を確認します。 典型的な症状だけで判断する場合もあるため、全員が同じ検査を受けるわけではありません。
- 中間尿の採取: 最初に出る尿は流し、途中の尿をとります。外陰部や腟の細菌が混じると結果がはっきりしなくなることがあるため、必要に応じて取り直すこともあります。
- 簡易検査: 試験紙を尿に浸し、白血球や細菌がつくる物質の痕跡をすばやく確認します。
- 顕微鏡検査: 尿の中に赤血球・白血球・細菌があるかを調べます。
- 尿培養検査: どの細菌がどれくらい増えるかを確認します。結果が出るまで時間がかかり、治療しても治らない、何度も繰り返すなど、原因菌を確認する必要があるときに検討します。
おりものやかゆみが一緒にある場合は、診察とおりものの検査を加え、感染の可能性に応じて性感染症の検査を相談することもあります。超音波などの画像検査は、通常は最初から必要ではありません。治療に使う薬と期間は、こうして確認した内容と現在の状態に合わせて決めます。
6か月に二回、1年に三回のように膀胱炎が何度も繰り返す場合は、原因と予防を別に見ていく必要があります。その場合は、これまでに起きた日付、検査結果、飲んだ薬をまとめておいてください。
診察で確認する内容と日常のケアは、LILEAPの膀胱炎の診療のご案内にまとめています。
