コンドームが破れた、新しく出会った人との性行為のあとずっと気になっている、パートナーから検査を受けてみてと言われた――そんなときがあります。心配になると、明日にでもすぐ検査を受けたくなりますよね。ただ、性感染症の検査は「どれだけ早く」よりも「いつ受けるか」で結果の意味が変わります。検査を考えるのは自分の体を大切にする自然なことで、誰のせいかを問うためのものではありません。

症状がなくても性病検査を受けるべきですか?
何も不調がなくても検査が必要な場面があります。 クラミジアのようなよくある感染症は症状がないまま経過することが多く、気づかないうちに骨盤内炎症性疾患へ広がったり、パートナーにうつしたりすることがあるためです。
- コンドームを使わずに性行為をした、または性行為中にコンドームが破れたり外れたりしたとき
- 新しいパートナーができた、またはパートナーが複数いるとき
- パートナーが性感染症と診断された、または症状があると知らせてきたとき
- 妊娠を計画している、または妊娠初期のとき
- 性生活があり、定期的に確認しておきたいとき
定期検査の間隔は年齢や生活によって異なります。米国疾病予防管理センター(CDC)は、性生活のある25歳未満の女性にクラミジア・淋菌感染症の検査を毎年受けるよう勧めており、25歳以上でも新しいパートナーや複数のパートナーがいる場合、パートナーが感染している場合には毎年の検査が必要になることがあると案内しています。どの項目が必要かは、診察で状況をうかがって一緒に決めます。
症状がある場合も、検査の時期を待つべきですか?
症状があるなら待たずに、すぐ受診してください。 このあと説明する検査の時期は、症状がないときに「いつ検査すれば結果を信頼できるか」についての話です。症状があるときは、診察とその場で必要な検査が先です。
- いつもと違うおりものやにおい、黄色や緑色のおりもの
- 排尿時のヒリヒリ感やしみる痛み
- 下腹部の痛み
- 性行為のあとや生理と生理の間の出血
- 性器や肛門のまわりの水ぶくれ・潰瘍・いぼのような突起、かゆみ、発疹
特に梅毒の最初の潰瘍は痛みがなく見過ごしやすく、腟の中や肛門の内側にできると、目で確認するのも難しくなります。症状がいったん出て自然に消えても感染が残っていることがあるので、消えたからといって受診を先延ばしにしないでください。
性行為の直後に受けた検査は、なぜ正確でないことがあるのですか?
感染していても、検査で検出できるほど病原体や抗体が増えるまでに時間がかかるためです。 この期間を「ウインドウ期」と呼び、この期間内に検査すると、感染していても陰性と出ることがあります。ウインドウ期は感染症の種類と検査方法によって異なります。
| 感染症 | 結果を信頼できるおおよその時期 | あわせて知っておきたいこと |
|---|---|---|
| クラミジア・淋菌感染症 | 性行為から約2週間 | 英国の性の健康に関する機関の案内。腟分泌物の検体や尿で調べ、症状があれば2週間を待ちません。 |
| HIV | 検査方法によって異なります:静脈血の抗原・抗体検査 18〜45日、指先の血液による迅速検査 18〜90日、抗体検査 23〜90日 | CDCの基準。迅速検査や自己検査のほとんどは抗体検査です。 |
| 梅毒 | 性行為から12週間 | 英国NHSと連携する検査サービスの基準。最初の症状は感染から3週間以上たって現れることがあります。 |
表の数字は機関や検査方法によって少しずつ異なり、「この日に受ければそれで終わり」という約束ではありません。英国NHSは、性感染症が検査に現れるまで最大7週間かかることがあるため、症状がなければ7週間待ってから検査するのがよいと案内しています。心配が大きく長く待つのが難しい場合は、2週間ごろにまず確認し、血液検査は時期に合わせてもう一度受けるというように分けることもあります。どのように分けるかは、診察で曝露の日付を見ながら一緒に決めます。
検査の前に何をメモしていけばよいですか?
日付と状況を簡単にメモしていくと、必要な項目と検査の時期を決めるのに大いに役立ちます。 口に出しにくい内容なら、メモをそのまま見せていただいてもかまいません。
- 心配な性行為の日付 複数回あった場合は、最初と最後の日付を両方書いてください。検査の時期は最後の曝露を基準に計算します。
- 接触した部位 腟性交のほかに口や肛門での接触があった場合はお知らせください。のどや肛門の検体が別に必要になることがあります。
- コンドームと避妊方法 コンドームを最初から最後まで使ったか、破れたり外れたりしたか、ほかの避妊方法を使っているかを書いておきます。妊娠の可能性をあわせて判断するためにも必要です。
- 症状と始まった日 おりもの・痛み・出血・皮膚の変化がいつからあるか、今はどうかを書いてください。
- 以前の検査と治療 最後に検査した日付、受けた項目と結果、治療を受けた薬があれば薬の名前と期間をお持ちください。
- 最近の生理と服用中の薬 最後の生理の開始日、飲んでいる薬と薬のアレルギーをお知らせください。
妊娠が心配な性行為だった場合、性病検査とは別に、緊急避妊は時間が大切です。できるだけ早く避妊のご案内を確認し、医療スタッフにご相談ください。
パートナーに伝えるべきですか?治療中は性行為を控えるべきですか?
感染が確認されたら、現在のパートナーと最近のパートナーも検査と治療を受ける必要があり、二人とも治療が終わるまでは性行為を控えるのが原則です。 一人だけが治療すると、互いにうつし合って感染を繰り返すことがあります。
性行為を再開してよい時期は感染症によって異なります。英国NHSは、クラミジア・淋菌感染症では本人とパートナーが治療を終え、検査で感染がないと確認されるまで、梅毒では二人とも治療を終えて2週間たつまで、オーラルセックスを含む性行為を避けるよう案内しています。処方された薬は、症状が消えても最後まで飲み切ってください。
結果だけで、いつ、誰から感染したかを断定することはできません。症状のない期間が長いこともあり、感染した時期が思っているより前の可能性もあります。パートナーに話すときも、責任を問うより「二人とも確認して治療しよう」というところから始めると、話がずっとしやすくなります。
すぐに行動すべきなのはどんなときですか?
HIVへの曝露が心配で72時間たっていないなら、検査の時期を待たずにすぐ医療機関に問い合わせてください。 曝露後予防薬(PEP)は72時間以内に始める必要があり、早いほどよいです。
検査項目と検体、結果を受け取ったあとの計画は、LILEAPの性感染症検査のご案内にまとめています。おりものの変化が感染症によるものか腟炎によるものか気になる方は、腟炎の診療のご案内とおりものが変わったときに確認したいこともあわせてお読みください。
