生理は先週終わったのに、下腹部がチクチクしたり、片側が重く引っ張られるように痛んだりする日があります。生理痛なら慣れていても、時期外れの痛みには「これはどうしてだろう?」という気持ちが先に立ちます。
このような痛みは、感覚だけで原因を知るのは難しいものです。そこで今回は、原因を自分で当てようとするよりも、どのような可能性があるかを知り、痛みを正確に伝える方法に焦点を当てます。

生理期間ではないのに、なぜ下腹部が痛むのですか?
おへその下には多くの臓器が近くに集まっているため、婦人科の問題だけでなく腸や膀胱の問題でも下腹部が痛むことがあります。 子宮・卵巣と腸がとても近いため、痛みを感じている本人でも、どこから来る痛みなのか区別しにくいことがよくあります。
原因となりうる範囲を大きく分けると、次のとおりです。以下の一覧は理解を助けるための分類にすぎず、症状を照らし合わせて自己診断するための表ではありません。
| 関係する部位 | 考えられる例 |
|---|---|
| 子宮・卵巣 | 排卵前後の痛み、卵巣の嚢腫、子宮内膜症、骨盤内炎症性疾患など |
| 妊娠に関係する場合 | 妊娠初期の変化、子宮の外に妊娠が成立する子宮外妊娠など |
| 腸 | 便秘、ガス、腸炎、過敏性腸症候群、虫垂炎(盲腸)など |
| 膀胱・尿路 | 膀胱炎などの尿路感染症、尿路結石など |
| 筋肉・神経 | 骨盤底筋の緊張など |
多くは軽く済みますが、中には早めに確認が必要な原因も含まれています。痛みの強さだけでは軽いかどうかを判断しにくいことを覚えておいてください。
排卵のときにもお腹が痛むことはありますか?
はい。卵巣から卵子が出る排卵の前後に、下腹部の片側が痛む人もいます。 一般に排卵痛と呼ばれます。
排卵痛は通常、次の生理が始まる約2週間前に現れます。下腹部の片側が鈍く痛んだり、瞬間的に刺すように痛んだりし、数分から一両日のうちに治まることが多いです。月ごとに痛む側が変わることもあり、少量の出血やおりものが一緒に見られることもあります。
ただし、「時期が合うから排卵痛だろう」と決めつけないでください。卵巣の嚢腫や子宮内膜症、一部の性感染症、子宮外妊娠も、似た位置に痛みを起こすことがあります。痛みがだんだん強くなる、何日も続く、鎮痛薬を飲んでも治まらないといった場合は、排卵痛だけとは考えにくくなります。
受診のとき、痛みをどのように説明すればよいですか?
「お腹が痛いです」よりも、いつ、どこが、どのように、どのくらい痛んだかを分けて伝えると、原因を絞り込む大きな助けになります。 以下の項目を、スマートフォンのメモに短く残しておきましょう。すべての欄を埋められなくても大丈夫です。
- いつ痛みましたか? 前回の生理開始日から何日目だったか、以前にも同じ時期に似た痛みがあったかを書き留めます。生理の記録があれば、一緒に見るとよいでしょう。
- どこが痛みましたか? 右・左・真ん中のどこか、腰やお尻、脚のほうに広がったかを書き留めます。指で指せるほど狭い範囲か、広く広がっているかも参考になります。
- どのような感じでしたか? 刺すような、絞られるような、重く押されるような、焼けるような感じなど、思い浮かぶままに表現してみてください。ずっと痛むのか、痛んだり治まったりを繰り返すのかも書き留めます。
- どのくらい痛みましたか? 数分・数時間・数日など続いた時間と、仕事や睡眠の妨げになるほどだったかを残します。飲んだ鎮痛薬の名前と効果も書いておきましょう。
- 一緒に現れた変化はありましたか? 腟からの出血やおりものの変化、発熱、排尿時の痛みや頻尿、便秘・下痢、吐き気を確認します。動いたときや排便時、性交時により痛んだかどうかも参考になります。
妊娠の可能性があるかどうかも、あらかじめ考えておきましょう。妊娠しているかどうかによって、先に確認すべきことが変わるためです。検査薬の結果がはっきりしない場合は、妊娠検査薬の結果を確認する方法を参考にしてください。
どのような場合に受診すべきですか?
痛みが繰り返す、なくならない、ほかの症状と一緒に現れるといった場合は、受診して原因を確認してください。 我慢できる程度だからといって、先延ばしし続ける必要はありません。
- 同じ痛みが何度も繰り返す、または数日経っても良くならないとき
- 鎮痛薬を飲んでも治まらない、またはだんだん強くなるとき
- 生理ではない出血、いつもと違うおりもの、発熱を伴うとき
- 排尿時に痛む、トイレが近くなった、尿や便に血が混じったとき
- 妊娠の可能性があり、下腹部が痛むとき
- 意図せず体重が減った、またはお腹の張った感じが続くとき
受診ではまず、先ほどまとめた内容をもとにお話をうかがいます。そのうえで必要に応じて、診察、尿検査、妊娠の確認、超音波検査などを選びます。すべての人が同じ検査を受けるわけではなく、一度の検査ですぐに原因がわからないこともあります。婦人科の原因ではないと判断された場合は、ほかの診療科での確認をおすすめすることもあります。
